2015年10月11日日曜日

(7)「 凄いピアニストになれたかも♪」と一瞬、勘違いできる練習法[その1]


前回、メトロノームを使った練習法を
ご紹介したので、メトロノームを使って

自分が凄いピアニストになれたんじゃないか
と、一瞬勘違いできる練習をご紹介します。

ドラムやパーカッションの人なら
必ずやる基礎練習
「パラディドル」というのがあります。

この練習を、ちょっと拝借♪

まずは
メトロノームは4分音符で鳴らして。
これで慣れたら
2拍目と4拍目だけ鳴らします。
それも慣れてきたら、
4分のうち一つだけ鳴らして
タイム感を養う練習もします。

まず右手(R)は
セブンス・コードの#9th
「3度、b7度、#9度」
(例えばC7#9なら「ミ、シb、レ#」)

余裕のある人は
「3度、b13度、b7度、#9度」
(C7#9なら「ミ、ラb、シb、レ#」)

左手(L)はコードのルートを
オクターブで。

シングルパラディドルと呼ばれる方法を
使ってみましょう。


例えば
||: R L R R  L R L L  R L R R  L R L L :||

4分の4、16分符表記のつもりなんですが。
これじゃ、わかりにくいですね。

「パラディドル」で検索すると
たくさん出てきますので、わかりにくい方は
ネットで調べてみてください。


最初はゆっくりしたテンポから始めて、
だんだん速くしていきまよう。

最終的に
テンポ120ぐらいでできるようになった時
「なんか、私。凄いことやってるかも♪」
そんな気分になるかと思います。
(必ず12キー全部やりましょう。)

少なくとも私はなりました(≡^∇^≡)
ならなかったらゴメンナサイm(__)m

でも、この練習では
セブンス・コードの「#9」の形
を12キーで覚えられ、しかも
リズム感も鍛えられます。

一石二鳥な練習方法なのでオススメです。

次回の【アドリブ脳を鍛えよう】は
「 凄いピアニストになれたかも♪」と
一瞬、勘違いできる練習法[その2]
に続きます。

2015年10月6日火曜日

自分を見つめ直すということ



今から数年前。

当時の私は
良くも悪くも
人間の様々な欲望が渦巻き合ってる
混沌とした現場で仕事をする事が多く
立ち回りが決して得意ではない私は
身体も心も本当にボロボロでした。

ある時
胃に普通でない痛みを感じて病院に行くと
潰瘍が四ヶ所見つかり、出血していましたが
他に代わりもいなくて
どうしても休めない仕事ということもあり
残りの10日間ほどの公演を
なんとかやり切ったのを覚えています。

その少し後
大きな震災があって
人として
自分は何に貢献できているのか
自分はどう生きたいのか。
そんな疑問が湧き起こり
自分の目指すべき「志」というものを
を渇望するようになっていきました。

そして、偶然出会ったのが
一般財団法人メンタルケア協会のサイトです。

これまで私が何度かこのブログで
「心の勉強」の講座について書いてきたのは
このメンタルケア協会のことです。

当時
誰かにケアしてもらう側ではなく
ケアする側の目線で勉強をしたことは
今考えると
私にとっては本当に大正解でした。

講座では
自律神経と脳とは密接な繋がりがあり
それは身体や心の異常にも
深く深く関係していることなど
人間のもろさを
物理的に理解することも勉強します。

ストレスというのは、
本当に様々な要因から発生しますが

「自分の人間的甘え」が
大きなストレスを引き起こすこともあること。

どう考えても
災難としか思えないような人間関係なら
リセットする勇気も必要な時があること。

自分の人生に
「利他」の想いが入ることで
いかに大きな充実感を得られるかということ
等々・・・。

スポンジが水を吸うように
たくさんのことを学ばせてもらった結果

講座終了時には、
ちょっとした事では動じない
柔軟で強い心が
自分の中に育ち始めているのを
実感できました。

もし
「自分を変えたい」とか
「心が強くなりたい」という想いを
持っている方がいらっしゃったら。

まずは
「自分の甘さや弱さを認める」ことが
最初の一歩だと思います。

自分の考えの甘さを認め、自覚し
他を学ぶこと、知っていくことから逃げない。

これまでも何度か書いていますが
「自分が変われば周りも変わる」の真意は
ここにあるのだと。

そう言う私も、まだまだ考えが甘く
逃げ道を探したり
自分の弱さを直視できない時もあります。

でも、以前と変われたところは
「ちょっと待て。
お前は本当にそれでいいのか?」と
自分で自分の心に問いかけることが
できるようになったことです。

これはちょっと自分でも嬉しい変化で。
その変化に気づいた時、
勢いで始めてしまったのが
「ピアノでアドリブ脳を鍛えよう」
の連載なんですね。

アドリブができるようになるために
覚える事や地味な繰り返し練習は
たくさんあります。

自由にアドリブができなかった頃の私は、
「忙しくて勉強時間が取れない」
「疲れて、そんな気力を持てない」
そのくせ
地味で面倒な練習は素っ飛ばして
「カッコイイ演奏をしたい欲」は
メチャメチャ持ってる。

言い訳と利己の固まりですね(; ̄ェ ̄)

「できない」とは
やろうとしない人の言い訳である。

これはよく聞く言葉です。
私も初めて聞いた時は
ガツンと心に響きました。

ただ、やり方がわからない人にとっては
なかなか厳しい言葉かもしれないとも思います。

アドリブが出来るようになるためのやり方を
学んで知って、実践してきた私にできること。

ピアノを自由に弾く楽しさを
伝えていくことはもちろんですが。

もう一つ。

「本気でアドリブをやりたい」という人に
やり方を一つ一つ示しながら
その背中を少し押してあげて
途中でくじけそうな時は
その背中を支えることだと思っています。

ブログという文章だけでは
できることは限られてしまいますが

どこかの誰かにとって
このブログが
自分の中の「やる気スイッチの存在を知る」

そんなキッカケになってくれたら嬉しいです。


2015年9月27日日曜日

(6) タイム感を養おう



より楽しく
より余裕を持って
演奏できるようになる為に
自分の中に
タイム感を捉える力
を養っておくことは重要です。

1小節単位での
拍の表裏や細かなタイミングがわかる
「リズム感」も必要ですが

4小節単位、8小節単位の大きなノリで
演奏できる「タイム感」も非常に重要です。

大きなノリが掴めると自由度も広がり
アドリブも一層楽しくなりますよ。


ジョージ・デューク、ケニー・カークランド
ハービー・ハンコック等々…その他多勢
(私が過去に耳コピしてきた人達です)

例えばこんな。

https://www.youtube.com/watch?v=tbD6k-D05f0
スティングの88年東京公演
"BRING ON THE NIGHT"
(3:20ぐらい〜6:20ぐらいの
ケニー・カークランドのエレピソロ)

一見何を弾いてるのかわからないような
リズムの縦線やスケールを無視したような
(実は無視してるわけではないのですが。)
速くて長いアドリブフレーズを弾いていても
とんでもなくカッコイイ理由の一つは

彼らが
グルーブの中のタイム感を捉えながら演奏し
いつでも自由自在に
「グルーブ」と「目指す音程」の点
に着地できる余裕を持っているからです。


今回は
そのタイム感を養う練習を
少しご紹介しますね。

まず
スケールでもコードでもフレーズでも曲でも
練習する時は、なるべく
メトロノームを使う習慣をつけましょう。

そして
例えばテンポ120で練習する時は
メトロノームは60にセットし
2拍目と4拍目にメトロノームの音を
感じながら練習します。

「1、2、3、4」を
「1、Pi、2、Pi」
(Piはメトロノームの音)

それが普通になってきたら
今度は
メトロノームは30にセットし
1拍目だけメトロノームが鳴るようにします。

「1、2、3、4」を
「Pi、2、3、4」。

これもできるようになってきたら
今度は2拍目だけを鳴らします。

「1、2、3、4」を
「1、Pi、3、4」。

次は3拍目だけ。

「1、2、3、4」を
「1、2、Pi、4」。

次は4拍目だけを鳴らして練習します。

「1、2、3、4」を
「1、2、3、Pi」。


ずっとキープするのは
意外に難しいと思います。

気がついたら1拍ずれてたり
いつの間にか、
メトロノームの音が1拍目に
鳴ってしまってたり…。

今回は
メトロノームを4分音符としての
練習でしたが、
慣れてしまったら
メトロノームを8分音符で捉え
3拍目の裏だけとか
4拍目の裏だけにメトロノームを鳴らして
練習してみるのも面白いと思います。


曲を大きなノリで捉えられるように
タイム感を養うことは、
一つ、大きな壁を乗り越えることと言っても
過言ではありません。

音楽を大きく捉える。

是非体得してください!

2015年9月20日日曜日

(5) 基本こそ徹底的に



ジャズピアノのレッスンは
クラシックピアノのレッスンのように
順を追った教材はあまりありません。

アドリブの壁は、
その高さも種類も数も
人によって全然違います。

アカデミック的な壁で立ち止まる人もいれば

音符が書いてない譜面を演奏することへの
恐怖という心の壁にぶつかる人もいます。

教える側の私の立場としては、
生徒さんの「壁」が今どこにあるのか
どれぐらいの高さなのか
どこからアプローチしていけば
その壁を乗り越えやすいのか。

色んな方面からじっくり観察して考えます。
そして
一つ一つ
確実に壁を克服していけるように
アドバイスや練習法を提示しています。


これまでも言ってきましたが。
ピアニストが
アドリブが出来るようになるためには
コードとスケールを
12キーで練習することは必須です。

その理由は
「どんなキーでも演奏できるように」
だけではないんです。
それよりも、
どんなキーでも怖くなくなる
「自分への絶対的な自信が持てる」から。

そして
この自信は後々「アドリブ脳」にも
しっかりと関わってきます。

ただ、そこの壁は意外に大きく
一人で練習していると
どうしても弾きやすいキーに偏って
しまいがちです。

音程差の認識
その偏りをなくすためのいしずえです。

そのいしずえの作っていき方を
文章で説明するとなると
膨大に長くなってしまうので、
取っ掛かりだけ書いておきます。

意外に難しいですよ。
まさに脳トレです♪

コードにはたくさんの種類がありますが。

まずは3和音(トライアド)から。
それを12キーで練習をします。

コードC(ドミソ)からコードF(ファラド)
その次はコードBb(シbレファ)~
と完全4度上へ進みます。

前回の(4)
で書いた Cycle of 4th の順ですね。


この場合
和音でやるより分散和音でやる方が
音程を意識できますよ。

これを
止まらずに一定のテンポで
12キー弾く練習をします。

止まらずにできるようになったら

次は「ドミソ」の逆「ソミド」を
Cycle of 4thの順に12キーやります。

コードC(ソミド)からコードF(ドラファ)
その次はコードBb(ファレシb)~
と完全4度上へ進みます。


この辺から
脳が固まることもあるかもしれないですが
ゆっくりしたテンポでいいから止まらずに
頑張りましょう。


最初は
これだけでも大変だと思います。

しかし
アドリブ脳への道はまだまだ遠い!


それができたら今度は
その転回形をやっていきましょう。

一気にやろうとないで、
「一つのコードを12キーで」
これを
時間をかけて確実に脳と手に刷り込む。
そして一つ一つクリアしていきましょう。

これがコツです。

この地味な練習こそが、
後々大きな意味を持ってきます。

本当です!

もし
「そんな一人で根気強くできないよ!」
という方がいらっしゃったら
ご連絡ください。

練習の実演を見せつつ
スケール、コード、課題曲
一つ一つしっかりと課題を出しながら
レッスンいたします。


お問い合わせは
長岡京ミュージックジム
もしくは
京都RAG音楽義塾 個人レッスン

立地条件など、ご自分に合った方へ
ご連絡ください。

アドリブ脳を鍛えるのに大切なこと。
それは
基本こそ徹底的に脳に刷り込むべし。

2015年9月13日日曜日

(4) 覚える順番にもコツがあります。



ジャズピアノレッスンなら必ずやる課題に
スケールとコードを12キー全てで練習する
というのがありますが。

まずスケールの第一歩
長音階(アイオニアン・スケール)。
例えば
それを12のキーでやる時。

半音ずつ上に上げて練習する人は多いと
思います。

でも
これはあまり「アドリブ脳」を鍛えるには
効果がありません。

半音ずつズラしていくやり方だと
その前に弾いた長音階を指が覚えているので

あ、さっきこれ弾いたからその半音上ね。

とあまり脳を介さずに進めてしまう結果
脳と耳に入っていきにくいのです。

そこで
完全4度上のキーへ移動していく方法に
変えてみるとどうでしょう。
キーCの次はキーF、その次はキーBb…。
C、F、Bb、Eb、Ab、Db、~(以下略)

12キーやったら元のキーに戻ります。
これがジャズ理論書に必ず書かれてある
「Cycle of 5th」(五度圏)です。


これだと
指のポジション記憶も関係ありませんね。

ジャズ理論の教本に覚える順番のコツまでは
書かれていません。

アドリブができるようになる為に
覚える事はたくさんありますが、
系統立てた順に覚えると
より効率よく脳に刻まれます。

ジャズに限らず、スタンダード曲には
完全4度上へ進むコード進行は沢山あります。
この事からも
この順で練習する意味は
充分すぎるほどあると思います。

これはフレーズを12キーで練習する時にも
とても有効なので是非やってみてください。