2020年8月26日水曜日

(80)アドリブの為に曲のアナライズ(分析)は必要なのか?

 

2017年5月大山崎山荘にて撮影。本文とは関係ありません。


こんにちは。
アドリブ脳を鍛えるピアノ講師
岡 幸代です。

アドリブの為にアナライズは必要なのか?


アドリブをする為に
アナライズ(曲の分析)は必要なのか?

結論から言いますと。

必要な時もあるし
必要のない時もあります。

例えば

ジャズのスタンダードでも
転調のない
ほぼダイアトニックでできている曲は
曲の分析をしなくても
感覚でアドリブが出来てしまう人も
いるかと思います。
(ダイアトニックについてしっかりと学びたい方は当教室へ是非!)

ただ
ジャズのスタンダードには
曲の途中で
何回も転調するような曲が
けっこうあります。


クラシックでは
曲中で転調する場合は
調号が記してあったりして
何のキーに転調するかの確実な指示がありますね。


ところが
ジャズで使う
いわゆるリードシートといわれる譜面には
曲全体のキーに関しては
最初に記してあるものの
曲中での転調は
特に指示はなく
メロディーやコード進行を見て
自分で判断していきます。

その際に
アナライズ(分析)は必要になってきます。


「イパネマの娘」を例に見てみよう


アントニオ・カルロス・ジョビンの
「イパネマの娘」。

この曲は
リードシートの冒頭に
♭が一つ付いているので
曲全体はキーが「Fメジャー」であることがわかります。
*調号からキーを判断する方法は下記ページに便利な表がありますよ。

[A]の部分は
スタンダード曲の「A列車で行こう」の
最初の8小節と同じコード進行ですね。
(キーは違いますが)

問題は
[B]の部分です。
ここでは3回、転調しています。

[B]の最初のコード「G♭maj7」。
ここから4小節のキーは
D♭メジャーです。

ここのキーをG♭メジャーと
考えてしまうと
最終的にキーFに戻る時に
帳尻合わせしにくいのと
「Ⅳ7」という
やや珍しいコードが出てきてしまうので
ここのキーはD♭メジャーと考えるのが良いでしょう。

そして
その次の「F#m7」からの4小節のキーは
Eメジャーです。

そしてその次の
「Gm7」から8小節のキーは
またFメジャーに戻っていきます。

キーの判断が違うことで何が起こるか


先ほどの
[B]の最初のコード
「G♭maj7」から4小節のキーを
G♭メジャーと考えた時

「G♭maj7」で使えるスケールは
G♭イオニアンスケールになります。

一方キーを
D♭メジャーと考えると
「G♭maj7」で使えるスケールは
G♭リディアンスケールになります。

キーの解釈が変わると
使うスケールも変わってくるということですね。

そうなると
その上で使えるU・S・Tも変わってきたり・・・
と、まあ色々変わってきてしまうわけです。

この辺りの話を詳しく勉強したい方は
当教室へお問い合わせください。

丁寧に、分かりやすく
レッスンさせていただきますよ(^^)

今年に入ってから試行錯誤しながらも
日本全国の方の
オンラインでのレッスンが可能になって
遠方の生徒さんも増えています。

ステイホームの時間が長くなってる今

アドリブが出来るようになりたい方
コード演奏を自由に弾けるようになりたい方
悩んでいるなら是非
「長岡京ミュージックジム」へお問い合わせください!

2020年8月14日金曜日

(79)余白の美学

 

(2018/2月横浜にて撮影。写真は文章とは関係ありません。)


こんにちは。
アドリブ脳を鍛えるピアノ講師
岡 幸代です。

先日は
私人生初の
【リアル&生配信ライブ】を
「持田浩嗣 & smooth J4」のメンバーで
京都ライブスポットRAGにて
やらせて頂きました。

RAGさんの配信ライブにかける
想いは並々ならぬものがあって

カメラは7台ほど、
(うち2台は自動で動くタイプ!)
カメラ専用のスタッフさんや
通常の音響さんに加え
配信用の音響さんをもう一人
SNSや動画編集の精鋭なスタッフさんなど

それは多大な労力と手間をかけて
配信ライブに取り組んでおられます。

またやります!
その時はこのブログでも
告知させて頂きますので
是非ご視聴ください!

余白の美学


日本画や書道で
「余白の美」という言葉を
聞くことがあります。

最近では
スマホのカメラ機能が優秀で
素人でも素敵な写真を撮ることが
可能になりましたね。

この写真でも
隅々まで計算された
余白が残された写真は

写真を見る側(受け手)にも
心の余白を用意してくれているようで
なんとも言えない余韻があって
魅力的に感じることが多いです。


休符のグルーブ感


音楽でいう「余白」とは
いわゆる
「音が出ていない時の間」です。
いわゆる「休符」ですね。

私はこの
「音が出ていない時の間」は
とても大事で大切にするべきものだと
考えています。

「休符」と書きますが
決して休みではありません。

休符の時のグルーブ感は
音が出ている時のグルーブに
大きく影響します。

その「余白」をどう表現するかで
曲全体の印象も大きく変わると思います。

これはアドリブにも言えることで

休符で意図的に空間を作って
アドリブに深みを持たせることは
意外に難しいのです。

音楽を勉強中の方も、是非この
「休符の美」
を意識して演奏してみてください。

さらに楽しくなりますよ(^^)

2020年8月3日月曜日

(78)学んだ事は実際に使ってみよう


2017年8月京都市東山区にて撮影(本文とは関係ありません)



こんにちは。
アドリブ脳を鍛えるピアノ講師
岡 幸代です。

再び感染の拡大が懸念されていますね。

このコロナ禍で
生活のスタイル、仕事の環境などが
激変された方も多いと思います。

中には
自分のメンタルを正常に保つことが
難しくなってる人も
いらっしゃるかもしれません。

せめて
目の届く範囲の
手の届く範囲の人たちだけでも
支え合って
なんとか乗り切っていきたいと
切に思います。

学んだ事をそのままにしていませんか?


私のレッスンでは

スケールやコード
代理コードの使い方や
テンションを含むⅡⅤⅠの押さえ方等々...

基礎の土台をしっかりと築いた後は
曲の分析をしながら
少しずつ応用の技を伝えていきます。

例えば

ⅡⅤⅠの上での
U・S・Tの使い方や

ファイブ・スプレッドヴォイシングでの
トップ・ノートや内声での
テンション・リゾルブの例、

ちょっとした
速弾きの仕組みや考え方などなど...

すると
それらを伝えた時の生徒さんの反応は

「おー!そういう仕組みなんですね」
「この音がここで使える理由が初めてわかりました!」

目をキラキラさせて反応されます。

実は
大事なのは
そこからなんですね。

それらの技を学んだ後
そのままにしてしまってはいませんか?

実際に使ってみよう


私が出した課題を
出来るようになるまで練習すること。

それはまだ
ほんの第一段階です。

本当に自分のものになっていくには
実際に
どんどん意識して使っていくことが
とても大事で。

そして
使っていくには
「ここで使えるかも!」と自分で気づく力が
必要になってきます。

与えられた課題をこなすだけでなく
「習った事を使ってみよう!」
というチャレンジ精神を持ちましょう。


アドリブやコード演奏が
自由に楽しく出来るために。
「学んだ事を、実際に使うこと」

とても大事なことですよ。