2015年9月6日日曜日

(3) アドリブ脳を作っていくと共に大切なもの




まだジャズを知らなかった頃の私は
「アドリブ」とは
何もない所から
フレーズが突然浮かんでくることだと
思っていました。

でも
それは大きな勘違いでした。

アドリブは
「何もない所から浮かんでくる」のではなく
ちゃんと
フレーズが生まれる為の材料があったのです。

前回にお話した「音程差の認識」も
大事な材料の一つですが、
もっと具体的な材料の例を挙げると。

すべてのコードに対して、
そのコードに対応するスケールというのが
あります。
それを学べば
「誰でもアドリブが出来るようになる」
ということです。


例えば
Dマイナー・セブンス・コード(レファラド)
の時は
Dドリアン・スケール(レミファソラシド)
が使えます。

試しに弾いてみてください。

メトロノームをテンポ60ぐらいで鳴らします。
まず左手で、和音「レファラド(Dm7)」を
2分音符で弾きます。

テンポ感が落ち着いたら

右手で、ルート(根音)から見て9度の
「ミ」をポ~ンと弾いてみて下さい。

次に右手で何の音を弾きたくなりますか?
(左手はそのままキープしていて下さい。)

白鍵だったらどこでも良いんです。

もっと高い音へ行きたいですか?
それとも低い方?
もしくはもう一度同じ音?

強く弾きたいですか?
それともデリケートに優しく?

自分の心に「どう弾きたいか」
問いかけてください。

その気持ちがアドリブへの第一歩です。


アドリブ脳を作っていく脳トレ的練習も
もちろん重要ですが
同時に大切にしなければいけないのは
自分の気持ちです。

「カッコいいフレーズ」を弾くことだけに
気を取られていると結局、
「カッコ良く弾かなければならない」
という気持ちが重荷になってきてしまいます。

「カッコいい演奏をしてスゴいと思われたい」
そんな気持ちは
ミュージシャンなら持って当然なのですが

でもその前に
自分がどう奏でたいか。
その気持ちを大切にして頂きたいのです。

どう見られたいかという他人の評価ではなく
まず自分の意思で奏でることができて初めて
気持ちの余裕が生まれます。

これは未だに私にとっての課題でもありますが
今音楽を学んでいる方にも
是非忘れないでいて頂きたい事です。

ちなみに今回
最初に9度の「ミ」を選んだのは
私が好きな音程だから♪

自分の好きな音を探ってみるのも
楽しいので是非やってみてください(^^)