2015年9月27日日曜日

(6) タイム感を養おう



より楽しく
より余裕を持って
演奏できるようになる為に
自分の中に
タイム感を捉える力
を養っておくことは重要です。

1小節単位での
拍の表裏や細かなタイミングがわかる
「リズム感」も必要ですが

4小節単位、8小節単位の大きなノリで
演奏できる「タイム感」も非常に重要です。

大きなノリが掴めると自由度も広がり
アドリブも一層楽しくなりますよ。


ジョージ・デューク、ケニー・カークランド
ハービー・ハンコック等々…その他多勢
(私が過去に耳コピしてきた人達です)

例えばこんな。

https://www.youtube.com/watch?v=tbD6k-D05f0
スティングの88年東京公演
"BRING ON THE NIGHT"
(3:20ぐらい〜6:20ぐらいの
ケニー・カークランドのエレピソロ)

一見何を弾いてるのかわからないような
リズムの縦線やスケールを無視したような
(実は無視してるわけではないのですが。)
速くて長いアドリブフレーズを弾いていても
とんでもなくカッコイイ理由の一つは

彼らが
グルーブの中のタイム感を捉えながら演奏し
いつでも自由自在に
「グルーブ」と「目指す音程」の点
に着地できる余裕を持っているからです。


今回は
そのタイム感を養う練習を
少しご紹介しますね。

まず
スケールでもコードでもフレーズでも曲でも
練習する時は、なるべく
メトロノームを使う習慣をつけましょう。

そして
例えばテンポ120で練習する時は
メトロノームは60にセットし
2拍目と4拍目にメトロノームの音を
感じながら練習します。

「1、2、3、4」を
「1、Pi、2、Pi」
(Piはメトロノームの音)

それが普通になってきたら
今度は
メトロノームは30にセットし
1拍目だけメトロノームが鳴るようにします。

「1、2、3、4」を
「Pi、2、3、4」。

これもできるようになってきたら
今度は2拍目だけを鳴らします。

「1、2、3、4」を
「1、Pi、3、4」。

次は3拍目だけ。

「1、2、3、4」を
「1、2、Pi、4」。

次は4拍目だけを鳴らして練習します。

「1、2、3、4」を
「1、2、3、Pi」。


ずっとキープするのは
意外に難しいと思います。

気がついたら1拍ずれてたり
いつの間にか、
メトロノームの音が1拍目に
鳴ってしまってたり…。

今回は
メトロノームを4分音符としての
練習でしたが、
慣れてしまったら
メトロノームを8分音符で捉え
3拍目の裏だけとか
4拍目の裏だけにメトロノームを鳴らして
練習してみるのも面白いと思います。


曲を大きなノリで捉えられるように
タイム感を養うことは、
一つ、大きな壁を乗り越えることと言っても
過言ではありません。

音楽を大きく捉える。

是非体得してください!

2015年9月20日日曜日

(5) 基本こそ徹底的に



ジャズピアノのレッスンは
クラシックピアノのレッスンのように
順を追った教材はあまりありません。

アドリブの壁は、
その高さも種類も数も
人によって全然違います。

アカデミック的な壁で立ち止まる人もいれば

音符が書いてない譜面を演奏することへの
恐怖という心の壁にぶつかる人もいます。

教える側の私の立場としては、
生徒さんの「壁」が今どこにあるのか
どれぐらいの高さなのか
どこからアプローチしていけば
その壁を乗り越えやすいのか。

色んな方面からじっくり観察して考えます。
そして
一つ一つ
確実に壁を克服していけるように
アドバイスや練習法を提示しています。


これまでも言ってきましたが。
ピアニストが
アドリブが出来るようになるためには
コードとスケールを
12キーで練習することは必須です。

その理由は
「どんなキーでも演奏できるように」
だけではないんです。
それよりも、
どんなキーでも怖くなくなる
「自分への絶対的な自信が持てる」から。

そして
この自信は後々「アドリブ脳」にも
しっかりと関わってきます。

ただ、そこの壁は意外に大きく
一人で練習していると
どうしても弾きやすいキーに偏って
しまいがちです。

音程差の認識
その偏りをなくすためのいしずえです。

そのいしずえの作っていき方を
文章で説明するとなると
膨大に長くなってしまうので、
取っ掛かりだけ書いておきます。

意外に難しいですよ。
まさに脳トレです♪

コードにはたくさんの種類がありますが。

まずは3和音(トライアド)から。
それを12キーで練習をします。

コードC(ドミソ)からコードF(ファラド)
その次はコードBb(シbレファ)~
と完全4度上へ進みます。

前回の(4)
で書いた Cycle of 4th の順ですね。


この場合
和音でやるより分散和音でやる方が
音程を意識できますよ。

これを
止まらずに一定のテンポで
12キー弾く練習をします。

止まらずにできるようになったら

次は「ドミソ」の逆「ソミド」を
Cycle of 4thの順に12キーやります。

コードC(ソミド)からコードF(ドラファ)
その次はコードBb(ファレシb)~
と完全4度上へ進みます。


この辺から
脳が固まることもあるかもしれないですが
ゆっくりしたテンポでいいから止まらずに
頑張りましょう。


最初は
これだけでも大変だと思います。

しかし
アドリブ脳への道はまだまだ遠い!


それができたら今度は
その転回形をやっていきましょう。

一気にやろうとないで、
「一つのコードを12キーで」
これを
時間をかけて確実に脳と手に刷り込む。
そして一つ一つクリアしていきましょう。

これがコツです。

この地味な練習こそが、
後々大きな意味を持ってきます。

本当です!

もし
「そんな一人で根気強くできないよ!」
という方がいらっしゃったら
ご連絡ください。

練習の実演を見せつつ
スケール、コード、課題曲
一つ一つしっかりと課題を出しながら
レッスンいたします。


お問い合わせは
長岡京ミュージックジム
もしくは
京都RAG音楽義塾 個人レッスン

立地条件など、ご自分に合った方へ
ご連絡ください。

アドリブ脳を鍛えるのに大切なこと。
それは
基本こそ徹底的に脳に刷り込むべし。

2015年9月13日日曜日

(4) 覚える順番にもコツがあります。



ジャズピアノレッスンなら必ずやる課題に
スケールとコードを12キー全てで練習する
というのがありますが。

まずスケールの第一歩
長音階(アイオニアン・スケール)。
例えば
それを12のキーでやる時。

半音ずつ上に上げて練習する人は多いと
思います。

でも
これはあまり「アドリブ脳」を鍛えるには
効果がありません。

半音ずつズラしていくやり方だと
その前に弾いた長音階を指が覚えているので

あ、さっきこれ弾いたからその半音上ね。

とあまり脳を介さずに進めてしまう結果
脳と耳に入っていきにくいのです。

そこで
完全4度上のキーへ移動していく方法に
変えてみるとどうでしょう。
キーCの次はキーF、その次はキーBb…。
C、F、Bb、Eb、Ab、Db、~(以下略)

12キーやったら元のキーに戻ります。
これがジャズ理論書に必ず書かれてある
「Cycle of 5th」(五度圏)です。


これだと
指のポジション記憶も関係ありませんね。

ジャズ理論の教本に覚える順番のコツまでは
書かれていません。

アドリブができるようになる為に
覚える事はたくさんありますが、
系統立てた順に覚えると
より効率よく脳に刻まれます。

ジャズに限らず、スタンダード曲には
完全4度上へ進むコード進行は沢山あります。
この事からも
この順で練習する意味は
充分すぎるほどあると思います。

これはフレーズを12キーで練習する時にも
とても有効なので是非やってみてください。


2015年9月12日土曜日

ここも是非チェックしてくださいね♪


GoogleのBloggerに
ブログを引っ越してから
3ヶ月が経ちました。

このブログの仕組みが少しずつわかってきて
サイドバーの作り方、増やし方も
やっとこさ
わかってきました。

マウスのカーソルを右上端にもっていくと
サイドバーが現れます。

ご覧になりたいメニューを
ポチッとしてください。

過去のブログも
カテゴリに分けられるようにしましたので
「アドリブ脳を鍛えよう」等
カテゴリ別に見直すことも可能になりました。

このサイドバーのメニューは
まだまだ増やしていけるみたいなので、
必要に応じて増やす事もあると思います。

ただ。
これはパソコンで見て頂いている方のみの
機能なんですm(__)m

スマホで見て頂いている方には
申し訳ないですが、
過去記事を見る時は順にさかのぼって
読んで頂くか
ウェブ バージョンに切り替えて
読んで頂かなければなりません。

私の勉強不足かもしれないので
もう少し調べてみます。
せっかく
スマホ画面対応のBloggerなので
カテゴリ分けや過去記事に簡単に飛べる
機能があるといいのですが。

やっぱり
怖がらずにいろんな所をイジってみないと
わからないものですね。

見てくださる方にとって
なるべく見やすく、読みやすく、
親しんで頂けるブログにしていきたいです。

まだまだ手探りですが、
少しずつ改善していこうと思っていますので
これからもどうぞ宜しくお願い致します。


2015年9月6日日曜日

(3) アドリブ脳を作っていくと共に大切なもの




まだジャズを知らなかった頃の私は
「アドリブ」とは
何もない所から
フレーズが突然浮かんでくることだと
思っていました。

でも
それは大きな勘違いでした。

アドリブは
「何もない所から浮かんでくる」のではなく
ちゃんと
フレーズが生まれる為の材料があったのです。

前回にお話した「音程差の認識」も
大事な材料の一つですが、
もっと具体的な材料の例を挙げると。

すべてのコードに対して、
そのコードに対応するスケールというのが
あります。
それを学べば
「誰でもアドリブが出来るようになる」
ということです。


例えば
Dマイナー・セブンス・コード(レファラド)
の時は
Dドリアン・スケール(レミファソラシド)
が使えます。

試しに弾いてみてください。

メトロノームをテンポ60ぐらいで鳴らします。
まず左手で、和音「レファラド(Dm7)」を
2分音符で弾きます。

テンポ感が落ち着いたら

右手で、ルート(根音)から見て9度の
「ミ」をポ~ンと弾いてみて下さい。

次に右手で何の音を弾きたくなりますか?
(左手はそのままキープしていて下さい。)

白鍵だったらどこでも良いんです。

もっと高い音へ行きたいですか?
それとも低い方?
もしくはもう一度同じ音?

強く弾きたいですか?
それともデリケートに優しく?

自分の心に「どう弾きたいか」
問いかけてください。

その気持ちがアドリブへの第一歩です。


アドリブ脳を作っていく脳トレ的練習も
もちろん重要ですが
同時に大切にしなければいけないのは
自分の気持ちです。

「カッコいいフレーズ」を弾くことだけに
気を取られていると結局、
「カッコ良く弾かなければならない」
という気持ちが重荷になってきてしまいます。

「カッコいい演奏をしてスゴいと思われたい」
そんな気持ちは
ミュージシャンなら持って当然なのですが

でもその前に
自分がどう奏でたいか。
その気持ちを大切にして頂きたいのです。

どう見られたいかという他人の評価ではなく
まず自分の意思で奏でることができて初めて
気持ちの余裕が生まれます。

これは未だに私にとっての課題でもありますが
今音楽を学んでいる方にも
是非忘れないでいて頂きたい事です。

ちなみに今回
最初に9度の「ミ」を選んだのは
私が好きな音程だから♪

自分の好きな音を探ってみるのも
楽しいので是非やってみてください(^^)