2013年12月29日日曜日

徒然草


つれづれなるままに、ひぐらしすずりにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくかきつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

小学生の頃に丸暗記した記憶がありますが、当時はその意味を理解しようという気が起こらず、そのまま時が過ぎてしまいました。

今思うと、それは本当にもったいない事でした。
先日、本屋さんで何気なく手にとって中をパラパラッと見てみると、なんとも興味深そうではありませんか。

読み終わった今、この本は自分の生き方を考えるにあたって「良き友」のような存在になっています。

700余年前に、こういう事を考え、人間というものの奥底をじっと見つめ続けて、そしてそれを書き残してくれた大先輩がいらっしゃったなんて。
全部で二百四十三段から成るこの「徒然草」を書いた吉田兼好さんは、人生を達観した所がありながらも、自分の中に存在する「俗っぽい部分」にも眼を背けることなく、しっかりと自分と向き合っておられるところに好感が持てました。

中でも「生と死」に関する段や「人というものの趣」に関する段は本当に心に沁みます。

「自分がなすべきことを自覚している人間にとって、人生は短い。しかし、自覚しない人間にとって人生は長い。」(第百八十八段、解説参照)

どう考え、どう生きればいいのか。
この「徒然草」には、その「人生を生きるコツとヒント」がたくさん詰まっています。

この角川ソフィア文庫の「徒然草」は、格段ごとに、まず現代語訳で書いてあって、その後に原文があって、その後に解説が書いてあるので非常にわかりやすかったです。

新年を迎えるにあたって、心新たにスッキリしたい方にオススメです。読んだことのない方は是非♪