2013年2月16日土曜日

あしたも、こはるびより




「あしたも、こはるびより。」

名古屋市近郊の小さな平屋で、畑をやりながら、畑で穫れた野菜や果物でケーキや料理を作って、訪れた人々にふるまって、生活してらっしゃる老夫婦の歳時記です。

まさに、私が理想とするお二人の生活。
無駄な物や無駄な時間がなく、簡素だけれども、生きる知恵や工夫にあふれた優雅な空気が読んでいて伝わってきます。

86歳の「しゅういちさん」、83歳の「ひでこさん」が発する言葉の一つ一つが、日々の生活でザワつきがちな心を落ち着かせてくれて、癒やしてくれるんですよね。

私も昔からモノを作ることは嫌いじゃなかったけど、「きっちり丁寧」とは言い難いモノが多いです。
ひでこさんも昔は「(彼女曰く)ぶきっちょ」だったそうです。
でも
「それでもね。80まで生きて、おなじこと繰り返しずっとやっていれば、昨日より、今日はよくなるからね。」
という言葉どおり、ひでこさんの手仕事は本当に美しいのです。

そんな「ひでこさん」に触発されて、私も時間のある時に少しずつモノを作ったり直したりするようになりました。
「モノ作り」って、実際にやってみると見えてくる事や気づかされる事がたくさんあります。

「ここさえキッチリ留めてあったら、長持ちするんだろうなぁ」とか
「ここを先に縫ったほうが効率が良いかも」とか。

そんな感じで作ったモノが、少しずつたまってきました。
自分が実際に使ってみて「便利♪」「心地良い」と感じたものを自分で作ってみると、作り手の工夫や愛情がよくわかります。
もう少し数が増えたら、ネットショップに出品してみようかな♪

ちなみに、こんなモノ作ってみました(^-^)
鍋つかみです♪

2013年1月19日土曜日

ワイルド・スワン


「ワイルド・スワン」
たしか1993年に刊行された時には、かなりのベストセラー本だった記憶があるので、読まれた方もいらっしゃると思います。

当時、私はまだ学生で、自分に何の自信もなく、確固たる信念と呼べるものもなく、「何かが違う」と燻りながらもノホホンと生きていました。

そして「ワイルド・スワン」に出会って、第一次「自分の無知を知る時期」に突入したのであります。

もう、むさぼるように読んだのを覚えています。
教科書では学び得なかった中国の近現代史。
人間という生き物の弱さと脆さ。

それまで自分が生きてきた全ての事に「微かな疑問」が生じたのも、この本がキッカケだったと思います。

「自分の人生を生きる覚悟」の土台を作ってくれたと言っても過言ではないぐらいに影響を受けた本でした。

そして、それから20年。
先日ブックオフで、2007年に改訂新版として出された「ワイルド・スワン」の文庫本を見つけまして。
買ってしまいました♪

人は、権力を持った時(権力という傘の元にいる時)、優位な立場に立った時に、脆く危うくなって精神の弱さが出てきやすい生き物だと思います。

この本は
そういう弱さに勝ち、たとえ私怨があったとしても切り離して考え、崇高な精神を保つ勇気を、育てていきたいし、伝えていきたいと思わせてくれる本です。